もしかしてあなたは、イーサリアムクラシックに密かに期待してませんか。
イーサリアムクラシックは、2017年に価格が約35倍になったこともあり、注目されている仮想通貨です。しかし、イーサリアムクラシックがどのような通貨であるかということはあまり知られていないです。
もしあなたがイーサリアムクラシックに投資することを考えているのであれば、イーサリアムクラシックの特徴や将来性などを知って起きましょう。
この記事を読めば、イーサリアムクラシックがどのような仮想通貨で、どんな分野で期待されているのかがわかります。


目次
イーサリアムクラシックの特徴
まずは、イーサリアムクラシックの特徴について書きます。
時価総額は18位(2019/06/19時点)です。本家イーサリアム(時価総額2位)と比べると見劣りしますが、それでも全体で見るとかなり上位に位置しています。
ではそんなイーサリアムクラシックがどんな通貨なのか。これから詳しく書いていきます。
ここでは以下の2つに触れます。
- イーサリアムクラシックの誕生の経緯
- イーサリアムとイーサリアムクラシックの違い
元祖・イーサリアム
イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分裂※1して誕生した仮想通貨ではなく、イーサリアムが分裂して独立したのです。
イーサリアム(旧イーサリアム)は元々一つの通貨でしたが、分裂して独立した仮想通貨がイーサリアムと呼ばれるようになり、旧イーサリアムがイーサリアムクラシックと呼ばれるようになったのです。
分裂したきっかけは、The DAO事件というハッキング騒動です。
※1厳密にはハードフォークと言います。
The DAO事件とは?
The DAO事件とは、イーサリアムのプラットフォームを利用して始まったThe DAOというプロジェクトがハッキングされた事件で、約50億円分ほどのイーサリアムが盗まれました。
イーアリアムの運営陣は、解決策としてハードフォークを選択し、新しいイーサリアムを作ろうとしていました。しかし、その決定に納得いかないユーザーが一定数存在しました。
イーサリアム運営の方針に納得がいかないユーザーは(旧)イーサリアムをイーサリアムクラシックという名前に変えて運営しはじめました。
“クラシック”というのは【古典的な】という意味で、イーサリアムクラシックは、古典的なイーサリアム、元からあったイーサリアムという意味で名前がついています。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの違い
では、イーサリアムクラシックはどのような通貨なのでしょうか?
基本的にはイーサリアムと同じ機能です。スマートコントラクト機能の使用を目的とした仮想通貨で、イーサリアムと同じようにDappを作動させることができます。
もちろん、イーサリアムと違う点もいくつかあります。
ここではイーサリアムよりも優れている点と劣っている点の2点をあげます。
- 優れている点:非中央集権を理想としている。
- 劣っている点:開発陣の能力がそれほど高くない。
順番に見ていきます。
イーサリアムクラシックは非中央集権を徹底した仮想通貨
イーサリアムクラシックは、イーサリアム運営陣の中央集権的な対応に不満を抱いたグループが運営をしています。
そのため、イーサリアムクラシックは非中央集権の運営にするという理念を持っています。つまり、運営陣が方針を決めるのではなく、元々組み込まれているプログラムに沿って運営を進めていくことを大事にしているのです。
元々、仮想通貨は非中央集権を掲げて広まったものですので、仮想通貨の本来あるべき姿で、今後は、非中央集権に共感したユーザーが集まる仮想通貨になっていくと考えられます。
イーサリアムクラシックの開発陣
The DAO事件が起きたことにより、イーサリアムクラシックは旧イーサリアムのブロックチェーンを使っていたユーザーが運営をしています。そのためイーサリアムと比べると開発力が低いです。
ユーザーからすると、イーサリアムとイーサリアムクラシックは同じ機能であり、イーサリアムの開発力の方が優れているため、イーサリアムのプラットフォームを使った方が合理的です。そのため、イーサリアムクラシックのユーザーはあまり多くありません。
そこで、イーサリアムクラシックの運営陣は、イーサリアムと同じ土俵で勝負するのではなく、これから普及が期待されているIoT※1の分野での使用に向けて方向転換をします。
IoT分野での普及に関しては下の将来性のところで詳しく述べます。
※1IoTとは(Internet of Things)モノとモノがInternetで繋がり情報や機能が補完しあうこと。現在ではスマホで家電(エアコン・電子レンジ等)が繋がる程度だが将来は車やサッカーボール、ペットや人間まで繋がると言われている。
イーサリアムクラシック(ETC)の価格
イーサリアムクラシック(ETC)は、2018年12月2日に426円の底値をつけて以来からは、徐々に価格を回復させ、2019年6月15日の時点で938円にまで上昇しています。
イーサリアムクラシック(ETC)高騰で前日比30%高 次期アップデートへの開発進展を好感
仮想通貨イーサリアムクラシックは週末にかけて約36%の上昇を記録した。背景には開発者などが新型アップデート「アトランティス」に関する会議を行ったことがあったと思われる。
— ハグリッド@仮想通貨 (@ko30167378) 2019年6月14日
ネット上ではイーサリアムクラシックの価格に関する投稿はあまり見られませんでしたが、唯一、次期アップデートでの価格高騰を期待する声が見られました。
— ETC Labs Core (@etclabscore) 2019年6月7日
次にイーサリアムクラシック(ETC)で実施されるアップデートは「アトランティス 」と呼ばれるもので、アップグレードのテスト起動については当初8月上旬の予定でしたが、実施日を6月19日前後にすると公式発表が発表しています。
イーサリアムクラシックの将来性
次は、イーサリアムクラシックの将来性について書いていきます。
イーサリアムクラシックの期待できる点は以下3点です。
- IoT領域での普及
- サイドチェーン
- SDK配布
詳しく見ていきましょう。
IoT領域での勝負にシフト
スマートコントラクトにおける覇権はイーサリアムが完全に握っています。イーサリアムクラシックがこれまで通り戦っても勝算がありません。そのため、イーサリアムクラシックは、新たな領域での勝負へとシフトしていきます。
それが、IoT領域です。イーサリアムクラシックはThe DAO 事件というハッキングを経験しており、二度と起こさないようにセキュリティを高く保っています。そのセキュリティの高さが、IoTと相性の良い秘密です。
IoTにはモノとモノをつなぎ、私たちの生活をより豊かにしてくれる技術ですが、そのためには個人情報を守る高いセキュリティが求められます。
そこでイーサリアムクラシックの運営陣は高いセキュリティと、スマートコントラクトを活かして、IoT領域での地位を獲得していこうとしています。
ロードマップにIoT技術の実装予定が掲載されている”>2019年のロードマップにIoT技術の実装予定が掲載されている
イーサリアムクラシック(ETC)とIoT技術の開発は、イーサリアムクラシックの公式HPの2019年のロードマップに掲載されています。
しかし、2019年6月現在では特にイーサリアムクラシック(ETC)のIoTに関する最新情報はアップされていません。
サイドチェーン追加
また、ロードマップで短期目標としてサイドチェーンの実装を掲げています。
サイドチェーンとは、メインのブロックチェーンとは別に補助のブロックチェーンを用意することにより、メインチェーンの負担を減らし、スマートコントラクトを円滑にすることができます。
IoT分野で使用するならば、通信の速度が重要になります。その時に、ブロックチェーンが詰まっているとモノとモノの通信が円滑に進みません。そのため、サイドチェーンを実装することにより、ブロックチェーンがスムーズに動くようになります。
SDK配布の配布によるIoT技術の向上
SDK(software development kit)とは、開発者のために体系化された開発方法や開発環境がまとめられたパッケージツールのようなものです。
このSDKをイーサリアムクラシックの開発者に配布することによって、開発が容易になり、性質の向上を見込むことができます。
イーサリアムクラシックはスマートコントラクトの分野ではイーサリアムに技術力で劣っていますが、これからIoTに向けて開発を進めていくことで、IoTの分野での技術力を向上させシェアを獲得していく方針です。
イーサリアムクラシック(ETC)を取り扱っている取引所
仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)を取り扱っている取引所は以下の通りです。
- DMMビットコイン(DMM bitcoin)
- バイナンス(Binance)
- コインチェック(Coincheck)
- ビットフライヤー(bitFlyer)
※ビットフライヤー(bitFlyer)は2019年6月16日時点で新規登録は受け付けていないため、新規で口座を開設したい方は、他の取引所を利用しましょう。
順に説明していきます。
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
通貨ペア | BTC/ETC, ETH/ETC |
---|---|
取引手数料 | ★★★★★(5/5) |
スプレッド | ★★★★(4/5) |
会社の信頼度 | ★★★★(4/5) |
初心者おすすめ度 | ★★★★★(5/5) |
国内取引所DMM Bitcoinの特徴は以下の通りです。
- 国内で最も多い通貨ペア数(14種類)
- アルトコイン取引は最大でレバレッジ4倍まで可能
- 外出時でも手軽に使えるアプリ(iOS/Android)
国内でアルトコインのレバレッジ取引できる取引所は、GMOコインかDMM Bitcoinのみです。通貨ペアの多いDMM Bitcoinは取引もしやすく、アプリは初心者にも使いやすいインターフェイスとなっています。
DMM bitcoinでの購入方法についてはこちら。

Binance(バイナンス)
通貨ペア | BTC/ETC |
---|---|
取引手数料 | ★★★★(4/5) |
スプレッド | ★★★★(4/5) |
会社の信頼度 | ★★★(3/5) |
初心者おすすめ度 | ★★★★(4/5) |
海外取引所バイナンスの特徴は以下の通りです。
- 世界トップクラスの取引量
- 取り扱い通貨は200種類以上
- バイナンストークン(BNB)で取引手数料50%割引
バイナンスは海外取引所の中でも比較的手数料が安く、ユーザー登録数、取引量も世界トップクラスの水準にある取引所です。また、取り扱い通貨も国内取引所よりも多いため、海外取引所で口座開設を持つのであればバイナンスの口座開設をしておいて間違いないでしょう。
しかし、バイナンスは海外取引所ですのでまずは国内取引所でビットコインを購入し、バイナンスに送金する必要があります。
バイナンスでの購入方法はこちらを参照してください。

まだ、仮想通貨の口座を一つも持っていない人は、送金手数料が無料になるGMOコインに登録しておきましょう。
Coincheck(コインチェック)
通貨ペア | JPY/ETC |
---|---|
取引手数料 | ★★★(3/5) |
スプレッド | ★★★★(4/5) |
会社の信頼度 | ★★★★(4/5) |
初心者おすすめ度 | ★★★★(4/5) |
国内取引所コインチェックの特徴は以下の通りです。
- シンプルで直感的に操作できるアプリ
- 素人でも簡単に売買できる「販売所形式」
- 大幅に改善されたセキュリティ
2018年の1月に580億円以上の仮想通貨ネム((NEM)を流出させてしまうハッキング事件がありました。その後は、大手金融グループのマネックスに買収され、長期間のセキュリティ強化を経て、2019年に再リリースされました。
今現在は、信頼のおけるマネックスグループがついていることからセキュリティも安心できて、初心者の方が最も使いやすいアプリとも言われています。
コインチェックでの購入方法はこちらをご覧ください。

イーサリアムクラシック(ETC)のマイニング
イーサリアムクラシック(ETC)はビットコインやイーサリアムと同じ承認方式であるPoW(Proof of Work/プルーフオブワーク)を採用しています。
PoWとは、膨大な計算処理を通して、ネットワークに参加しているノードの中でより多くの計算処理をした人にマイニング報酬が与えられるシステムです。
PoWの計算による承認システムは高いセキュリティを持ちますが、多額の設備投資や電気料金がかかるなどの問題があります。
イーサリアムクラシックまとめ
イーサリアムクラシックの特徴と将来性は以下の通りです。
特徴
・元祖イーサリアム
・イーサリアムと性能は同じ
将来性
・IoT分野で普及を目指す
・サイドチェーン追加
・7月にSDK配布
イーサリアムクラシックはイーサリアムの存在によって存在感が薄れています。
しかし、これからIoT分野でシェアを広めていくのではないかと言われています。
IoTは2020年に現在の市場規模(1.4兆ドル)の2倍の3兆ドルになると言われています。うまく軌道に乗せれば価格の上昇が見込まれるでしょう。
一方で、IoTに置いてイーサリアムクラシックの技術が求められなければあまり将来性はないと言えます。ある種ギャンブル性の高い仮想通貨だと言えるでしょう。


4 | 追記情報
2018/05/28 追記
ハードフォークのお知らせ
イーサリアムクラシックが5月30日頃に、ハードフォークを行うことがアナウンスされました。
今回のハードフォークの目的は、ディフィカルティボムの除去。なお今回のハードフォークで分裂する可能性は低いということです。また、このハードフォークの1時間前から、ビットフライヤーではイーサリアムクラシックの預け入れ、送付ができなくなりますのでご注意ください。
5 | 購入方法
イーサリアムクラシックを取り扱っている日本の取引所はビットフライヤーしかありません。
ビットフライヤーは国内で最も資本金が多く、安心して利用できる取引所と言えるでしょう。また、取り扱い銘柄も多く、イーサリアムクラシックだけでなく、ビットコインなども購入することができます。